肺気腫

肺気腫の治療薬にはいくつかの種類があり、肺活量からみた重症度、呼吸困難の状態、症状や合併症などによって使い分けます。
 
【軽症例】薬物療法の目的…症状の改善
普段は症状がなく、活動時だけ息苦しさがあるような場合は、速効性の吸入気管支拡張薬（速効性β２刺激薬や吸入抗コリン薬）を、活動時などに頓用で使用します。
　使用されている薬の例：メプチンエアー、サルタノールインヘラー、アトロペントエロゾル、テルシガンエロゾル、メプチンクリクヘラー
 
【中等症例】薬物療法の目的…症状の改善、活動範囲・生活の質の向上
　長時間作用型の気管支拡張薬を定期的に使用します。吸入薬のほか、錠剤や貼り薬もあります。また、呼吸リハビリテーションも併用します。
　使用されている薬の例：スピリーバ、セレベントディスカス、ユニフィルLA錠、テオロング錠、テオドール錠、ホクナリンテープ
 
【重症例】薬物療法の目的…症状の改善、活動範囲・生活の質の向上、悪化・進行の予防
　複数の長時間作用型の気管支拡張薬を併用します。すなわち、中等症の薬を組み合わせて用います。また、吸入ステロイド薬は、増悪の頻度や期間を短縮する効果があるため、増悪を繰り返す患者さんに用いられます。さらに、痰がある場合には痰を除去する薬を処方します。
　使用されている薬の例：アドエア250ディスカス、パルミコート200タービュヘイラー、キュバール100エアゾール、アズマネックスツイストヘラー、オルベスコインヘラー、婿ダイン（痰除去）、ムコソルバン（痰除去）