肺気腫

肺気腫は、軽症では症状はありません。重症になるに従い、徐々に息苦しくなり、酸素不足に伴う症状も出てきます。
 
○呼吸困難、努力呼吸
肺気腫は、酸素不足のため呼吸が苦しくなります。これは、活動するときは体が余計に酸素を必要とするためです。動いた時や動いた後に息切れが起こり、あえぐような浅い呼吸になってしまうのが特徴です。
また、慢性的な咳や痰を伴うことがあります。
　なお、低酸素状態に慣れてしまった場合や、あまり活動しない場合は息苦しさを感じにくくなることがあり、注意が必要です。
 
○チアノーゼ
酸素は血液に乗って全身に運ばれますが、体が酸素不足になると、酸素は優先的に体の中枢部分に運ばれます。その結果、末梢には血液がいかなくなり、手先足先が冷たくなり、指や唇が血色不良で青紫色になります。これを、チアノーゼといいます。
 
○ビール樽状胸郭
　肺気腫はやせ形の男性に多く見られるのですが、肺気腫が進行すると肺が異常に膨張して上半身がビールの樽のようにふくらんだ形になることがあります。これを、ビール樽状胸郭といいます。この状態のように膨らんだ肺では、十分に呼吸をすることが難しくなっています。
 
○ばち指
　指の先が、太鼓のばちのようにふくらんだ状態になります。酸素不足によって起こる症状です。
 
○心不全
　肺気腫が進行すると、心臓から肺に血液を送る流れが障害されて、心不全になり、むくみや頸動脈（首の動脈）が大きく浮かび上がるなど、心不全の症状が出てきます。
 
○全身の症状
　肺気腫が進行した例では、体重が減少し、筋力が低下してやせ、骨粗しょう症や抑うつ症状が出現するなど、全身へ症状が及ぶことがあります。