肺気腫

○急性増悪の注意点
　感染は急性増悪の最も大きな原因なので、できるだけ避けるようにします。そのため、予防接種や、うがい、手洗い、保温などに努め、風邪が流行しているときや人混みは特に注意しましょう。また、異常があれば早めに受診するようにします。
 
○呼吸困難時の注意点
　息が苦しい時は、急いで新しい空気を吸おうとして、浅く速い呼吸になりがちです。このようなとき、肩で息をしてしまっていませんか？肺気腫の病気の仕組みを考えると、これではいくら早く呼吸しても息苦しさは改善しません。
肺気腫は、肺の下の方の肺胞の機能が障害されて、息を吐くのが難しく、古い空気が溜まってしまう病気です。息苦しくなると、不安や焦りが生じやすいのですが、まずは息を「吸う」のではなく「吐く」ことが大切です。肺気腫の患者さんは、口をすぼめてお腹からゆっくり息を吐き出すように呼吸することが大切です。
 
○酸素投与時の注意点
肺気腫では、進行すると多くの患者さんがHOT（在宅酸素療法）を使うようになります。酸素療法は、低酸素状態を改善し、息苦しさを改善し、全身に十分な酸素を送るために不可欠な治療方法です。しかし、酸素は多ければ多いほどいいというものではありません。　　　肺気腫の患者さんでは、酸素が多過ぎると逆に二酸化炭素が溜まってしまい脳に影響を及ぼすリスクがあります。酸素は医師の指示に従って使用することが必要です。
また、酸素なので火に接触すると炎上する危険があります。酸素療法中は火気厳禁なので、これも注意が必要です。