肺気腫

○すべての患者に行う治療
・禁煙…禁煙は治療の基本です。タバコを吸い続けていると、症状は悪化します。医師の指導や禁煙外来において、ニコチンガムやグループ療法、カウンセリングを取り入れることもあります。
 
・感染予防…肺の感染症は急性増悪の原因となるため、インフルエンザの予防接種は重要です。また、うがい、手洗いなどの感染予防を励行します。
 
○重症度に応じて選択する治療
・薬物療法…気管支拡張薬やステロイド薬などを使用します。
 
・呼吸リハビリテーション（理学療法）…効果的に呼吸ができるような呼吸方法の習得や、呼吸筋をほぐす方法、全身の持久力や筋力を維持するためのトレーニングを行います。
 
・在宅酸素療法（HOT）…低酸素状態に対しての治療です。酸素チューブを鼻につけ、鼻から酸素を吸ったまま日常生活を送ります。酸素ボンベを持って外出することも可能です。
 
・換気補助療法…急性増悪のときに人工呼吸器によって呼吸を助ける方法があります。人工呼吸器とは、自分でまったく呼吸ができなくなった人に対して気管に管を入れて機械で呼吸をするものだけではなく、自分の呼吸に合わせて呼吸を助けるものがあります。
 
・手術…健康な部分の肺を圧迫するような病変部の肺を切除する手術や、肺の容量を縮小する手術、肺移植があります。手術が適応となるかどうかは、病変部や全身の状態によって判断されます。
 
・その他…入院した場合は、栄養管理や感染症の治療など、全身管理を行います。