肺気腫

○血痰の出る病気
血痰とは、血液の混じった痰のことです。血痰では、痰にピンク、赤、赤茶色の血が混じります。痰に混じった状態ではなく血液自体が気道から出た場合は喀血といいます。
血痰が出る病気には以下のような病気があります。
・気道の炎症…上気道（鼻から喉までの部分）や下気道（喉から気管支にかけて）が炎症を起こして荒れている状態だと、出血して痰と共に血が出ることがあります。
・気管支拡張症…気管支の組織が障害されて気管支が拡張することにより、咳、痰、血痰が出る病気です。血痰の原因の約半数は、気道の炎症と気管支拡張症のいずれかに当たります。
・肺がん…咳、痰、血痰が三大症状で、肺の手前に近いほど早期に症状が出やすくなります。血痰の原因の約20％を占めます。
・肺結核…結核菌の感染により肺に炎症を起こします。血痰のほか、咳、微熱、体重減少、倦怠感などの症状が持続します。血痰の原因の約15％を占めます。
・その他…頻度はまれですが、肺塞栓、心不全といった病気で血痰が出ることがあります。
 
○肺気腫で血痰が出る場合
肺気腫だけでは、血痰が出ることはありません。咳や痰によって鼻から喉にかけての粘膜が傷ついたのか、その他気管支拡張症や肺がん、肺結核など上記の病気を合併している可能性があります。
つまり、血痰が続く場合は肺気腫以外に何か原因があるということです。原因を調べるためにはレントゲンや痰の検査が必要なので、医師に相談してみましょう。