肺気腫

○間質性肺炎とは
間質性肺炎とは、肺の間質と呼ばれる部分が慢性的に炎症を起こした病気で、新しい空気を吸うことが困難になる呼吸障害（拘束性換気障害）を生じます。
ふつうの肺炎は、肺の中に菌が入って痰と熱が出ますが、間質性肺炎は、主に肺胞の壁が慢性的に炎症を起こしたもので、痰を伴わない咳や息切れがみられます。
　また、ふつうの肺炎が肺の上の方に炎症が起きることが多いのに対して、間質性肺炎は肺の下の方に炎症が起きることが多く、胸の音を聴診すると肺の下の方に乾燥した雑音が聞かれるのが特徴的です。
　治療は、対症療法として酸素投与を行うため、在宅酸素療法（HOT）の適応になります。また、急性期にはステロイド薬を用いて炎症を抑えることがあります。
 
○肺気腫と間質性肺炎
肺気腫と間質性肺炎は、どちらも同じように肺胞の病変に関連した呼吸障害です。そして、肺の下の方に病変ができやすいことが共通しています。呼吸が障害されているため、動いた時に酸素不足の状態となり、息苦しさを感じるのも同様です。
酸素不足の状態を改善するため、間質性肺炎も重症例はHOT（在宅酸素療法）の適応になります。さらに、どちらも進行性の病気であり、急性増悪と寛解を繰り返しながら慢性的な経過をたどることも共通しています。
相違点は、肺気腫は「息を吐けない」閉塞性換気障害なのに対し、間質性肺炎は「息を吸えない」拘束性換気障害であることです。つまり、同じような呼吸障害ですが、病気の仕組みは反対なのです。