肺気腫

○COPDとは
COPD（Chronic Obstructive Pulmonary Disease）とは、慢性閉塞性肺疾患のことです。「慢性」は「急性」の反対で長期間にわたって経過する病気のこと、「閉塞性肺疾患」は気道の閉塞による肺の病気ということです。つまり、「気道がつまったり狭くなったりしている状態が続く病気」のことを指します。気道が塞がれていると、息を吸うことはできても吐くことが難しく、結果的に一回の呼吸で喚気できる量が少ないため、酸素不足となり呼吸が苦しくなってしまうのです。
COPDの患者さんは、息を吐けないことが問題なので、苦しい時は意識して口をすぼめお、お腹からゆっくり息を吐き出すようにすることで対処します。また、在宅酸素療法（HOT）で日常生活の酸素を補うことで、呼吸を助けることができます。
 
○COPDに含まれる病気
COPDは気道が塞がれて呼吸が苦しくなる病気の総称で、肺気腫のほかに、慢性気管支炎の一部（気管支が化膿したり、つまっているもの）が含まれます。
慢性気管支炎とは、気管支の壁が慢性的に炎症を起こして痰がらみが続き、気道が狭くなってしまう病気です。慢性気管支炎の多くは、呼吸状態にそれほど影響しないため、COPDには含まれません。
その他、気管支喘息の発作中も、気道が狭くなって苦しくなるので同様の状態ですが、発作時にだけ気道が狭くなるという点が他の病気とは異なるため、気管支喘息だけではCOPDに含まれないのが一般的です。