肺気腫

○子どもの肺気腫はまれ
肺気腫の主な原因は、タバコの煙などの有害物質を長年吸い続けることです。そのため、肺気腫は高齢者に多く、ほとんどが60歳以上で発症します。子どもに肺気腫が起こるのは、非常にまれなケースです。
 
○赤ちゃんの肺気腫
　頻度はまれですが、赤ちゃんに肺気腫が見られることがあります。これは大人の肺気腫とは原因が異なり、生まれたときから呼吸状態が悪い例や先天性（生まれつき）の心臓病に合併して起こる例が報告されています。
　心臓と肺は大きく関係しています。特に、肺気腫の原因となっているのは、右心室から肺に静脈血を送る、肺動脈に影響を与える心臓の奇形です。肺動脈は本来、心臓から肺に送る静脈血ですが、心臓の奇形によって勢いのある動脈血が流れ込むことによって、肺に負担がかかってしまうのです。
　赤ちゃんの肺気腫の治療には、肺気腫の手術や心臓病自体の手術を行います。
 
○若年性肺気腫
. 若年性肺気腫（若年発症COPD）とは55歳以下で発症・発見されたCOPD（慢性閉塞性肺疾患）のことをいいます。
原因には、未成年からの喫煙や、子どものときにかかった肺炎や気管支炎などの感染症、気管支喘息の合併が指摘されています。
その他、α1アンチトリプシンという酵素の先天的な欠損によるものがあります。α1アンチトリプシンは、肺の主要な抗たん白分解酵素で、欠損するとたん白分解酵素によって組織が破壊され肺気腫の原因となります。
いずれの原因でも、25歳以下で起こることはまれです。