肺気腫の遺伝性
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はっきり言って肺気腫は遺伝病ではない。しかし例外的ではあるが、若年性肺気腫になる人の中にα1アンチプロテアーゼ欠損症という遺伝病のせいでこの病気になる人が稀にいる。この疾患は遺伝性家族性の病気であり、アンチプロテアーゼの一つとされるα1アンチプロテアーゼと呼ばれる蛋白質が遺伝子の欠陥のため作れなくなり、若年性肺気腫になるのは肺の中でプロテアーゼが優位になるからなのである。
この病気の発症年齢は喫煙量と大きく関わりがあり、それが多いほど発病が早く病気の進行スピードも速くなる。欧米では患者の2%ぐらいがこれが原因で肺気腫にかかるとされているが、わが国ではそうした例は今のところ極端に少なく全国的に見ても僅かに10数件しか例を見ていない。
【肺気腫は遺伝しないものと思っていい】
これまでにも大多数の肺気腫患者を見ても血液中のα1アンチプロテアーゼ値が正常である者からは遺伝子異常は発見されていない。また親が肺気腫であれば、その子も肺気腫になるというような遺伝性はほとんどといっていいほどない。だが一部の調査で肺気腫の家族や係累に同じ病気の患者が多かったり、病気までには至らなくても若い頃から肺の働きに異常がある人が多いとも報告されている。
しかしこのような場合も家族の外的要因、つまりその家計に喫煙者が多かったり、仮に当人が喫煙者でなくても家族のせいで間接喫煙によるものであったりすることも多く、この病気を遺伝病にする理由にはなっていない。だがタバコ体質が子孫に受け継がれるという意味での遺伝性はある程度考えられないこともない。
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