肺気腫

肺気腫は別名タバコ病とかＣＯＰＤとも呼ばれる難病の一つであり、治り憎く、死に至りやすい怖い病気である。では肺気腫とはいったいどんな病気で何が原因でかかるのであろうか。またその治療法にはどういったものがあるのだろうか。

 

 

【肺気腫とはどんな病気なのか】

 

肺気腫とは、長い年月の間に肺胞（肺の細気管支の末端にある空気の入った微小な袋）の壁が次第に破壊されていく病気のことで、もう一つの疾患「慢性気管支炎」とともに、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれる病気の代表的なものである。

 

一般的に肺胞が壊されたときには肺のあらゆる場所に丸い風船のような穴ができるため肺の弾性が損なわれて呼吸が困難になる。この病気は比較的高齢の５０歳以上の男性に多く、その中でも喫煙歴の長い人ほどかかりやすい。

 

とはいえ若い人でも例外的に若年性肺気腫と呼ばれる疾患にかかる場合がある。

肺気腫関連の疾患としては慢性気管支炎、自然気胸、睡眠時無呼吸症候群、消化性潰瘍などのように合併症の例も多く見られる。

 

 

【肺気腫の原因は何なのか】

 

肺気腫の主な原因としては、長期間の喫煙・高齢化・男性・呼吸器感染症などの因子の集合によるものではないかとされているが、大気汚染など有害物質の吸入も原因のひとつに考えられている。

だが、肺気腫患者のほとんどは喫煙者であることは見逃せない事実である。

 

 

【その症状は】

 

自覚症状でもっとも多く見られるのは呼吸困難による息切れである。ちょっとした運動でもすぐ息切れが起こり、それは病気の進行とともに徐々に悪化していく。こうなると僅かな体の動きでも呼吸が苦しくなってくる。だが、例えば気管支炎などと病気の合併がない限り発作的に息切れが起こることはない。

 

さらに病状が次第に悪化したときには息切れのほかにビール樽胸郭（肺が膨張して胸部が張り出す症状）が起こることがある。一般的に咳や痰などの症状は合併症がない限り普通はあまりみられない。